旅行記 2015 10 「東北ジグザグ紀行」 ⑨陸前高田を歩く

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奇跡の一本松付近でひときわ目を引くのが、この斜張橋だ。「希望のかけ橋」と名づけられたこの橋は、人や自動車、列車が通るためのものではない。陸前高田の町の復興に必要な土砂を山から運搬するためのベルトコンベアの一部なのだ。気仙川を跨ぐ部分はこのように立派な造りをしている。

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橋の下を、一本松に向かう通路が通っている。見上げると、なかなかの迫力だ。

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「希望のかけ橋」を越えたベルトコンベアは、旧陸前高田市街の方面へと、長く伸びていた。ただなんとなく陸前高田までやってきた私は、目を見張った。正直な話、今回の旅行でもっとも印象に残る光景だった。なので撮った写真をペタペタといっぱい貼らせてもらった。言ってしまえばただ土砂を運ぶだけの構造物なのだが、これが町の復興を担っている。地元の人々が斜張橋に「希望」を冠したのも、頷ける話だ。

ところでこのベルトコンベア、どうも話に聞くと土砂の運搬が終われば撤去されるため、もしかしたら今はもうないかもしれない。

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気仙沼方面に戻るBRTまでまだ時間があったので、陸前高田駅(BRT)まで歩くことにした。歩き始めて目に付くのが、土砂の山だ。ベルトコンベアで運んだものを、嵩上げ工事に使うのだろうか。

私の使っていたインターネット上の地図サイトではこの周囲の更新があまりされておらず、地図上では陸前高田駅に近い市街地を歩いていることになっていた。しかし、周辺はひたすらに更地である。駅も線路も市街地も見当たらない。町がまるごと消えてしまっているという現実が、にわかには信じられなかった。

下調べが甘かったからか、私はBRTが発着するのは旧大船渡線陸前高田駅の場所だと思っていたのだが、そこは更地だ。ここに発着するのはちょっとあり得ない。慌てて調べ直すと、現在地よりだいぶ北の、丘の上から発着することがわかったので、そちらに向けて歩き出した。

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丘を登る坂道が案外急だったこともあり、奇跡の一本松駅から歩いて50分くらいかけてBRTの陸前高田駅に到着した。旧来の陸前高田駅とは、全く異なる場所だ。付近にはプレハブ造りの市役所やコンビニもあり、ここが現在の町の中心なのだろう。

陸前高田駅が見つからないときにはかなり焦ったが、なんとか予定通りのBRTに乗ることができた。気仙沼に戻る。

 

(つづく)