旅行記 2020 06 養老鉄道と樽見鉄道に乗ってみた

岐阜県にある大垣駅。「おくのほそ道」の終点としても知られる水都大垣の玄関です。この駅を発着する中小私鉄が2つあり、2020年6月13日にその両方に乗ってきました。大垣は西に向かう途上に何度も立ち寄ったことのある街ですが、そこから出る私鉄には乗ったことがありませんでした。行こうと思えばいつでも行ける距離だからこそ、案外機会のないものです。乗ったことがないから、乗ってみよう。単純な話です。

 

実際のところの真の目的は、期限の迫った名鉄株主優待乗車証の消費にありました。1枚につき1乗車、任意の駅まで行ける乗車証で、金券ショップなどでもバラ売りされています。訳あって2枚余っていたところにコロナ騒動が直撃し使うに使えず、間もなく紙切れになってしまう瀬戸際だったのです。

東三河に住んでいるので、消費するなら自ずと岐阜方面が有力候補になってきます(遠距離のらないともったいないという精神)。地図を睨みながら行先を検討しているうちに、そういえば大垣あたりの鉄道、結構手つかずで残っているなぁと思い至り、今回の日帰り旅に至った次第です。

 

1、桑名へ 

 

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名鉄の株主乗車証。もう数日で紙切れになるところだった

 

早起きして6:13分発、名鉄の特急岐阜行きに豊橋から乗車。名鉄一宮に向かいます。特別車にしました。これは持論なのですが、名鉄は他の大手私鉄と比べ運賃は高い分、着席が保証された上級席の料金は安い気がします。なのである程度の距離を特急で移動するならば、特別車を使うべき、むしろ使わなきゃ損くらいに思っています。実際のところ休日6時台の特急を始発駅から乗るとなれば、特別料金のいらない一般車でも座席は選び放題座り放題なんですが、なんとなく特別車のほうが気分も上がりますし。どこまで乗っても特別料金は360円です。最近ではネット予約も可能になり、便利になりました。

 

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特別車でのんびりと

 

名鉄一宮からは尾西線津島行きに乗り換え。乗りえ時間が1分しかなく気をもみましたが、対側ホームからの発車だったので難なく間に合いました。津島に向かいます。

豊橋から津島へ行くのならば、通常は名鉄本線須ケ口から分岐する津島線を使うんでしょうが、今回はあえて一宮を経由してみました。大した理由ではないんですが、一宮と津島を結ぶ路線など、三河地方に住んでる身からするとまず使う機会がないので、久々に乗ってみようと思っただけです。

とはいえそう目立った特徴があるわけではありません。住宅地を列車は進みます。部活か課外事業でもあるのか、高校生で車内は意外と混んでます。微睡みつつ揺られているといつの間にか津島に到着していました。

 

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津島に到着

津島は三方面に線路が伸びるターミナル駅ですが、ホームは1面しかありません。ホーム上には人が多く、私の乗り換える弥冨行きにみんな乗るのかと思いきや、先にやってきた津島線の名古屋方面急行、吉良吉田行きに吸い込まれてゆきました。

名鉄では名古屋を終点とする列車はごく少数で、大半の列車は名古屋を跨いで運転されます。尾西線津島線のような支線からの列車も例外ではありません。多くの場合は本線を経由し西尾線に直通します。とはいえ乗客の行先はたいてい名古屋もしくは金山なので、直通先の地域との交流が頻繁にあるかといえば決してそうではありません。尾西線津島線の人は(吉良吉田ってどこだよ…)と、西尾線の人は(佐屋ってどこだよ…)と漠然と思いながら今日も名古屋直通列車に乗るのです。

 

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弥冨駅。名鉄とJRが同じホームに

津島で乗り換えた弥冨行きは案の定ガラガラでした。そのまま終点へ。弥冨駅は名鉄がJRの駅の一部に乗り入れる格好になっており、これは豊橋駅も同じです。改札口もJRのものを使うので、経路について尋ねられたりするのかなと一瞬身構えましたが、改札は無人で拍子抜けしました。件の優待券は改札脇の回収ボックスに入れて、駅舎を出ました。

目指すのは三重県の桑名です。JRでも行けるのですが、すぐ近くにある近鉄弥富駅から近鉄線に乗ったほうが本数も多く便利そうなのでそちらを目指します。一宮あたりから降りつつあった雨がだんだん強くなってきており、すぐ近くだから…と油断して傘なしで向かってみたところあっという間に濡れネズミになってしまい、途中でたまらず折り畳み傘を開きました。

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桑名のアーケード

近鉄の急行列車で木曽三川を渡り、桑名に到着しました。三重県の最も名古屋よりに位置する街で、降りてみるのは初めてです。駅近くにはマンションも多く、名古屋のベッドタウンとしての性格が強いのでしょう。

ここからは、養老鉄道に乗車します。ようやく登場しました、大垣に乗り入れる私鉄のうちの1つです。本数が意外と少なく毎時1本程度しかありません(この旅行に出る前までは、勝手に毎時2本くらいはあるんじゃないかと思っていた)。わりと待ち時間なく発車する便がありましたが、この先の行程を鑑みあまり先を急いでも仕方ないことが分かっていたので、桑名で小休止としました。

手持ちの現金がけっこう少なくなっていたので、まず銀行ATMへ。駅から5分程度。桑名の土地鑑はゼロですが、たぶんこの辺りが飲み屋とか多い雑多なエリアなんだろなと思われるエリアを通り抜けます。休日朝に雨のなか知らない街の誰もいない繁華街を歩くのはなんとも不思議な気分。

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シンプルなモーニング

駅まで戻ったところでまだ時間がありました。朝の特急の中で菓子パンをかじってたとはいえ、少しお腹も空いたので駅前ビルの喫茶店に入りました。コーヒーにおまけでついてくるモーニング。派手さこそないけれど、ジャムとトーストだけのシンプルさが逆に安心感を醸します。店内にはそこそこ客がいるものの、ほとんど地元の常連と見受けられます。店内で流れているNHKラジオが9時の時報を告げ、続いて天気予報を伝えます。今日は全国的に梅雨空で、この先の行程でも晴れ間は期待できなさそう。

 

2、養老鉄道に乗ってみる

 

 

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養老鉄道線の車両

 喫茶店での休憩を終え、きっぷを買って養老鉄道のホームにやってきました。JRと近鉄が同居する桑名駅の中に、窮屈そうに存在します。

これから乗車する養老鉄道は、ここ桑名から大垣を経由して揖斐まで至る路線で、三重と岐阜の県境をダイレクトに越える、唯一の鉄路です。かつては巨大私鉄・近鉄の一部でありましたが、収益が芳しくなく、2007年に別会社として分離されたという経緯があります。

どこかで見たような車両だな、と思いましたが、後から調べたところ、かつて東急電鉄で走っていた車両が使われているようです。東三河を走る豊橋鉄道もそうだけれど、けっこう東急のお古を使っている中小私鉄ってありますよね。3両編成のごく一部のみボックスシートになっている箇所があり、ガラガラだったこともありそこに収まりました。

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大垣駅。右奥に停まっている揖斐行きに乗り換え

列車は揖斐川の右岸を北上します。東には木曽三川の作り出した海抜ゼロメートル地帯が広がるのに対し、西は養老山地の想像以上に急峻な山々が聳えています。ちょうど濃尾平野の西の縁とも言えるような地帯です。

沿線には多度大社や養老の滝といったそこそこ名の知れたスポットが点在しますが、そこに向かうような観光客は見られず、車内はぽつりぽつりと地元客が乗っている程度です。雨模様のせいか、自粛ムードのせいか、はたまたいつもこんな感じなのか…

養老を過ぎたあたりから大垣への流動があるのか、立ち客が出るほどではないものの段々と乗客が増えてきます。桑名を発って1時間強、列車は大垣に到着しました。

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FOR IBI

 

養老鉄道大垣駅頭端式ホームになっており、桑名方面も揖斐方面も同じ方向に発車します。乗ってきた列車はここ大垣が終点なので、乗り換えが必要です。私のような全線乗ってみたいオタクからしたら、桑名→大垣→揖斐とスイッチバックして直通してくれる列車があると嬉しいのですが、そんな需要はほぼないのでしょう。必ず乗り換えを要します。実際、桑名発大垣行きから吐き出された人波は例外なく改札口に向かい、揖斐行きに足を向けるのは私一人でした。接続も考慮されていないのか、発車まで20分ほどの待ち時間があります。

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桑名から揖斐までのきっぷ

今回は普通に乗車券を購入しています。フリーきっぷもあったけれど元を取るほどは乗らないはずなので。桑名から揖斐まで50km強、950円。

大垣を発車した列車は、室駅付近で桑名方面への線路と別れ、再び北を目指します。JR東海道本線東海環状自動車道をくぐり抜けて、神戸町・池田町を走ります。田畑と民家が点在する、典型的な郊外の様相です。乗客は1車両に10人いるかいないか程度。

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揖斐駅に到着

大垣を出て20分と少し、到着した終点の揖斐駅は、こう言っては失礼ですが予想外に立派な駅でした。ちゃんと駅員もおり、改札を行っています。

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雨に濡れる揖斐駅

依然として雨がしとしとと降っています。揖斐駅の外に出てみました。周囲にはこれと言って特に何もありません。ここ揖斐川町の中心部は川を渡ってさらに北に2kmほど行った辺りにあり、どうも中途半端な場所で線路が途切れてしまっているという印象を受けます。

それにしても、養老鉄道として分離される十数年前は、ここまで大阪に拠点を置く近鉄の手が伸びていたという事実に改めて驚かされます。難波や阿倍野橋からここまで、1つの私鉄だけで来れてしまったわけです。近鉄グループ傘下の三重交通グループのさらに傘下の名阪近鉄旅行が駅前に店舗を構えているのが、近鉄時代の名残でしょうか。

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線路はここで途切れる

ここで私はミスをしました。予定ではこの後樽見鉄道に乗車することになっておりました。このまま大垣まで引き返すのも芸がないなと考え、ここ揖斐駅から東方に位置する大野町に向かうバスに乗り、さらに大野町でバスを乗り継いでモレラ岐阜に出るプランを考えていました。

大野町に向かうバスは駅前から列車到着の3分後に発車するはずなのですが、駅前にやってくるのは地元客の送迎のための乗用車ばかりで、バスの影も形も見えません。もしや!と思って貼ってあったバスの時刻表を見たら、そこには「平日のみ運行」の文字が。曜日を取り違えるという、実にバカバカしい単純なミスに、苦笑いするしかありませんでした。

さてどうしたものかと慌てて考えました。タクシーで大野町まで出れば予定するルートに復帰できるかもしれませんが、痛い出費になりそうです。徒歩も一瞬頭によぎりましたが、歩くにはちょっと距離があり、さらにこの雨の中でとなると考えるだけでも憂鬱。

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無念のとんぼ返り

 

結局、芸がないのは承知で、乗ってきた列車で大垣に引き返すことにしました。1~2時間に1本しかない大垣行きが発車する前にミスに気づけたことは、不幸中の幸いでした。元来た道を引き返します。

 

3、樽見鉄道に乗ってみる

 

大垣駅に戻る途上で樽見鉄道の時刻を調べると、こちらも1~2時間に1本しかない列車の発車時刻が迫っていることが分かりました。ちょうど養老鉄道線が大垣に到着して10分弱で樽見鉄道が発車するようです。ちょうど昼時であったので大垣で何か腹ごしらえを…と思っていましたが、お預けになりそうです。

樽見鉄道はJR大垣駅のホームの片隅から発車します。養老鉄道からの乗り換えは理論上十分に可能ですが、かといって余裕はありません。JRの改札に向かう。駅員に樽見鉄道に乗る旨を申告しJRの改札をくぐって、構内の片隅へ。樽見鉄道の窓口がそこにあるので、フリーきっぷを購入、そして乗車。これを最速でこなす必要があり、発車の1分ほど前にようやく乗り込めたというところでしょうか。ちょっとスリルがありました。

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樽見鉄道。景色が後ろに流れてゆく。

例によって地元客がまばらに乗っている感じの車内でしたが、何組かこれから買い物に行くような様子の中高生が見受けられました。沿線に「モレラ岐阜」なる大型の商業施設があり、それに隣接して樽見鉄道モレラ岐阜駅があります。おそらくそこまで乗るのでしょう。

車両のいちばん後方に陣取りました。こういう時鉄道オタク的には最前をとって前面からのパノラマを楽しむのが王道なんでしょうが、最前はなんだか忙しない印象があり、のんびりと乗りたいときは後方がいい気がします。まぁ好みの問題でしょうが。

しばらくJR東海道本線に沿って東に進んでいた線路は揖斐川を渡ったあたりで北に転進し、樽見を目指します。

北方真桑駅の手前で、今は使われていないような築堤が車窓を過りました。2005年に廃止された、名鉄揖斐線の跡です。名鉄もかつては岐阜県美濃地方西部にまで手を広げており、その路線網は近鉄に次いで壮大なものでしたが、いまではだいぶスリムになりました。それにしても、名鉄揖斐線(とそれに接続する各線)の残っていた十数年前までの西濃地方の鉄道網は、かなり賑やかなものだったんじゃないでしょうか。

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織部古田織部織部織部焼織部。(帰途に撮影)

本巣は路線中間の拠点となる駅で、3分ほど停車し運転士の交代が行われました。交代後の運転士はものすごく指差喚呼をハキハキと行う人で、車両後部までその声がはっきりと聞こえます。本巣にはかつてセメント工場があり、樽見鉄道線で貨物輸送を行っていました。この貨物が樽見鉄道としては重要な収入源でしたが、2006年に廃止されてしまい、財政的に苦しい状態にあるようです。

「道の駅織部の里もとす」に隣接する織部駅。ここを境に、樽見鉄道線はまるで人が変わったかのように一変します。ここまでは濃尾平野北端の、平坦な田園地帯を進んできましたが、ここから先は揖斐川の支流、根尾川の渓谷に挑みます。

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水を湛える根尾川(帰途に撮影)

降り続く雨により、根尾川の水量はかなり多くなっているように見えますが、その脇を列車は何事もないかのように軽快に進みます。

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初見では読めない

鍋原と書いて「なべら」はちょっとさすがに想像もつきません。長く呼ばれている間に「は」が脱落したのでしょうか。

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鉄橋とトンネルを多用する

 

神海(旧名:美濃神海)までは、かつて国鉄樽見線として運航していたものを引き継いだ路線です。一方、神海から先は私鉄として再出発した後、1989年になってから開通した比較的新しい区間です。近年になっての建設ということで、鉄橋やトンネルを多用して渓谷をどんどん遡ってゆく、高規格な路線になっています。

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強そう

根尾谷断層のそばを抜けて、列車は終点の樽見駅に到着しました。大垣から1時間強。このやたら存在感を放つ胸像は、樽見線をこの地に誘致するために尽力した宮脇留之助氏のものということです。

さて、ひじょうに悩ましいのが、どの列車で帰るかです。今乗ってきたこの列車は、10分ほどで折り返してしまいます。その次は1時間半以上先。近くの有名なスポットとしては、徒歩20分ほどの場所に有名な淡墨桜がありますが、今の時期は葉桜を通り越して完全に葉っぱでしょう。晴れていたら渓谷ののどかな街で川でも見ながら時間を潰すのも悪くないでしょうが、今日はあいにくの天気。飲食店にでも入れたらいいんですけど、少なくとも駅前には何もなく、歩き回ったところでそういった店がある保証はありません。なので、逡巡した末に、10分後の列車で帰ることにしました。正直、謎の敗北感はあります。本当に鉄道に乗りに来ただけ、THEオタクムーブって感じで本当は避けたい行動なんですけど、まぁやむを得ないですね。

ちなみに本来ならば、列車と接続して無料のバスが出て、うすずみ温泉なる温泉施設に連れて行ってくれます。列車と温泉がセットになったフリーきっぷもあり、樽見についた後の動きはこの温泉に行ってみるのがベターだと思います。しかしこのときはまだ温泉施設の営業自粛が続いており、それは叶いませんでした。

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終点

樽見で線路は途切れますが、国鉄時代のもともとの計画では金沢までつなげる予定だったようです。もし金沢まで開通していたら、東海地方と北陸地方を結ぶ重要な路線になっていたかもしれません。

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折り返す

若干の後ろ髪ひかれる思いを抱きながらも、樽見を後にします。晴れてて温泉もやっているときにまた来たいね。

 

4、帰る

帰途に就きます。まだお昼を回って少し、十分に明るい時間なのですが、早朝から動いているので少々疲れました。目的は一応達成したわけですし、早めに帰りましょう。

 

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大垣駅から出るのに必要なアイテム

 


大垣駅まで戻りました。樽見鉄道を降車する際に、通常のきっぷは回収されます(私が使っていたフリーきっぷはもちろん例外です)。しかし先述のとおり、樽見鉄道の乗り場はJR改札の中に存在するので、このままではきっぷを所持していないことになり、JRの改札から出ることができません。なので降りた客全員に、樽見鉄道社員から降車証明書が配られます。この券ををJRの自動改札に投入すれば、大垣駅から出ることができます。

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視界不良

大垣からJR東海道本線に乗ってやってきたのは岐阜駅。

何とかと何とかは高いところが好きとはよく言ったものですが、旅行中にその街のことをよく知りたいと思ったら、高いところから見下ろすのがベストです。岐阜駅にほど近い岐阜シティ・タワー43では、43階から街を見渡せます。

なんといってもありがたいことに展望フロアが無料なので、もしも岐阜駅で時間ができたら、とりあえず登っておけば間違いないです。今日はこんな天気なので見える景色はご覧のあり様でしたが。

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みんな大好き展望席

忘れてはいけません。今回の旅行の真の目的は、紙くず寸前の名鉄株主優待乗車証を消費すること。なのでわざわざ岐阜駅で降りて、名鉄岐阜駅まで歩いてきました。岐阜から豊橋に向かう名鉄の特急のうち、一部は先頭に展望席が設けられており、これに乗れば優雅に流れる車窓を楽しみながら豊橋まで帰れるという寸法です。展望席は特別車の一部という扱いなので、ここを指定した360円の特別車両券さえあれば乗ることができます。ちなみに個人的にオススメする席は、展望席としては最後尾に位置する5A~Dです。展望に配慮してシートの背もたれが低い前4列とは違い、しっかり頭の後ろまでシートの背もたれがあるので落ち着いて乗っていられるような気がしますね。

走行中、ところどころで雨が強く降る箇所がありました。雨だと展望自体はあまり望めなくなりますが、大雨が打ち付けるなか疾走する展望車は迫力があり、また違った面白さを感じます。

 

大雨に降られながらも、列車は何事もなかったかのように無事豊橋に到着しました。あとは本当に帰るだけです。さすがに疲れがどっと出ました。

 

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今回の行程(地理院地図Vectorをもとに作成)

鉄道の旅、ローカル線の旅は久々で、ホント楽しかったです。今回の旅行自体は、きっぷ消費のための消化試合的な側面が強く、正直自分でも大して期待していなかったところもあったといえばあったんですが、やっぱり行っちゃえば楽しいもんです。

それと同時に、結構よく知っているつもりのこの東海地方でさえもまだまだ見るべきところは無限にあることを実感しました。まだ旅は終わりそうにありません。

 

最後に、あらゆる人が、大手を振って気兼ねなく旅行できる日がまた訪れることを願って。ありがとうございました。