旅行記 2020 07 てくてく千歳

北海道の玄関ともいうべき存在、新千歳空港を擁する千歳市。ともすれば札幌はじめ道内各地への通過点になりがちなこの街ですが、スルーするのに勿体ない魅力的なスポットが沢山ある街でもあります。そんな千歳市を散策しました。

 

午前3時に自宅を自動車で出発。衣浦トンネルを通って常滑、電車に乗って中部国際空港へ。朝早い時間に発つ便に搭乗します。ラウンジではビールが無限に作れるので、朝7時台から飲酒するダメ人間と化しました。

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朝から

 搭乗したANA701便は、過去の経験と照らし合わせてもトップクラスにガラガラでした。体感ですが、50パーセントほどの搭乗率でしょうか。通路を挟んでで左右に3列ずつあるシートのうち、ほとんどの箇所で1人ないし2人分しか埋まっておらず、完全に空席になっている列も見受けられました。私の座ったシートも隣、そしてそのまた隣とも空席で、その気になれば寝転ぶこともできそうです。怒られると嫌なのでやらないけど。平日の朝早い便であることと、昨今の情勢の影響でしょう。

アナウンスでは、高性能なフィルターを通して機内は常に換気されているので安心してほしいという旨の呼びかけがありました。また、(これにどう効果があるのかあまり分かりませんが)機内サービスの飲み物は緑茶とミネラルウォーターに限定されていました。さらには機内誌も座席ポケットには入っておらず、数か月前とは状況が一変していることを嫌でも実感させられます。航空会社としても、ただでさえ航空需要の激減で大赤字を被っているなか、自社便で万一のことがあれば……と戦々恐々なのかもしれません。

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木曽三川上空

以前旅した、愛知・岐阜・三重の県境地帯を北に向けて飛行します。最初こそ晴れていて地上の様子もはっきりと見て取れましたが、次第に雲が厚くなり終いには全く見られなくなりました。朝はが早かったこともあり、しばらくは睡眠に充てました。

 

10時過ぎ、飛行機はほぼ定刻に新千歳空港に到着しました。さて、今日は札幌市に宿泊することは決めていますが、それまでの予定はこれといってありません。大まかでおぼろげなプランは考えていましたが、基本行き当たりばったりの行動になりそうです。ひとまずラウンジに入って小休止。ラウンジ内のロッカーに荷物を入れたまま外出しても構わないと係員に言われたので、ここにキャリーケースを預けておくことにしました。

 

 

youtu.be

察しのついている方も多いかもしれませんが、千歳市は『ラブライブ!サンシャイン!!小原鞠莉役等で知られる声優・鈴木愛奈さんの出身地であり、PR動画も作成されています。今回の訪問も、紹介されている場所はじめゆかりの地を訪れたいという動機が結構なウェイトを占めています(白状)

 

また、鈴木愛奈さんが出演するアニメ、『邪神ちゃんドロップキック(邪神ちゃんドロップキック')』(以下『邪神ちゃん』)では、千歳市ふるさと納税で寄付を募り、千歳市が舞台となっている『千歳編』が製作されました。Amazonプライムで見られます。

 

https://jashin.welcome-to-chitose.jp/

そしてそれに連動して声優陣のサイン入りパネル、看板、アニメの原画が市内各所に期間限定で設置されています。こんな感じで、千歳市はいまアニメ・声優といったサブカル方面への観光アピールに結構力を入れているようです。実際のところ、TwitterのFF内でも、鈴木愛奈さんや『邪神ちゃん』に関連して千歳市を訪れる人がちらほら見受けられます。

ちなみに『邪神ちゃん』についてなんですが、実は私は『千歳編』しか観ておらず、ストーリーをほとんど把握していないという有様です。なので真剣にカット回収をしようとか、全てのパネルを見ようとか、コラボフードを制覇しようとかそこまでの意気込みはありませんが、「あ~ここアニメで見てたな」くらいの気持ちで臨む、ゆるい聖地巡礼になっています。

 

 新千歳空港からJRで千歳駅へ移動。少々早いですが、まずお昼ご飯にします。

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千歳市錦町4丁目付近の風景

 

向かったのは「太陽の恵み」さん。ここは自身たぶん5回目?の訪問です。鈴木愛奈さんのご家族がやっているお店です。千歳駅からうまく「北栄小学校」もしくは「北斗1丁目」ゆきのバスをつかまえることができればそれを使うのが便利なんですが、あいにく時間が合わなかったので徒歩で向かいました。25分ほどの道のりです。

 

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「太陽の恵み」さん

「太陽の恵み」さんに到着。店の前に車が多く並んでいましたが、平日とあってか今日は特に待ち時間なく案内されました。かつて札幌や旭川でアニメ関連のイベントがあった際には入店まちの行列ができたり、整理券を配って対応したりもしました。見た感じ地元のお客さんがほとんどのようでしたが、ちらほらアニメファンっぽそうなお客さんも見受けられました。

 

 

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絶品の「トロトロオムライス」

ここではほぼ毎回「トロトロオムライス」を注文しています。ふわふわの卵と、デミグラスソース、バターライスの絡み合う味が本当に絶妙で、何度来てもこればっかり食べてしまいます。ボリュームもかなりあるので、ここで昼食と決めている時には朝食は軽めにしています。聞く話によると、「醤油ラーメン」や「ザンギ」も美味しいらしいので、いつか食べてみたいですね。

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「太陽の恵み」さん店内(2019年6月撮影)

店内には主に鈴木愛奈さん出演のアニメ関連ポスターやグッズが展示されています。今回はお客さんも多く店内の写真はあまり撮っていなかったので、写真は前々回訪問した際のものです。実はこの訪問翌日が鈴木愛奈さんのお誕生だったため、ファンからのものであろうお祝いの花が届いていました。

さて、「太陽の恵み」さんですが、実は訪問の少し前にリニューアルをしています。伝聞情報しかないのでアレですが、どうやらこのお店はそのまま営業しつつ、別のお店も開くとかで、その準備でしょうか、メニューや営業時間が変わっています。訪問ご検討されている方はご注意ください。

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ヒグマ出没・注意

食べ終わって「太陽の恵み」さんを後にしますが、またしてもちょうどいいタイミングで運行されているバスの便がなかったため、とりあえず南に向けて歩くことに。この日の千歳の最高気温は約22度で決して暑すぎるということはありませんでしたが、セイコーマートツルハドラッグに寄り道して休憩しながらのんびりと。

 

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すごく広い青葉公園

千歳川にかかる青葉公園橋を渡り、30分ほど歩いて青葉公園に到着しました。ここは丘が丸ごと公園になったような場所で、各種競技場や図書館、神社などが点在しています。鈴木愛奈さんも部活動でここの陸上競技場によく来ていたというエピソードを聞いたことがあったので、そちらまで行ってみようかと思いましたが、案内図を見ると公園はとても広く、結構遠そう… 早朝から動き続けているせいか疲労が溜まっており、またの機会にすることにしました。

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千歳市の図書館

公園の中にある図書館の前から次の目的地へ向かうバスが出ることが分かりましたが、出発まで1時間弱あったので、図書館で適当に過ごしました。地元以外の図書館に行くのってなかなか新鮮な体験ですよね。

 

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サケのふるさと

https://chitose-aq.jp/

図書館から千歳駅を跨いで市街北東へ足を延ばすバスに乗り、千歳水族館に向かいました。「千歳水族館入口」バス停より5分ほど。「サケのふるさと 千歳水族館」です。入館料は大人800円(JAF会員等割引あり)。1500円の年間パスポートもあるので、年に複数回訪れるならば買ってみるのもいいかもしれません。

さて、淡水魚に特化したここの水族館、すぐ横を千歳川が流れており館内から川の中を覗ける窓があります。今日はどんな感じでしょうか。

 

 

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ダメでした。

 

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2019年6月撮影

 

水族館の名誉のために補足ですが、この日こそほとんど魚らしき影は見られず、数分に1匹思い出したかのように窓の前を横切る程度という惨憺たる結果でしたが、昨年に訪問した際には窓いっぱいに魚影が見られました。川の機嫌次第なので、その時どんな風に見えるかは運次第。そこが面白いのかもしれません。ちなみにサケの遡上2020年第1号はつい先日、8/6に確認されたとのこと。

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件の『邪神ちゃん 千歳編』にもここの水族館は登場する関係で、円形の水槽の脇にパネルが展示してありました。

 

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鈴木愛奈さん

 

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水族館の裏手、千歳川にはインディアン水車が設置されています。これはサケを捕獲する伝統的な仕掛けで、昨年は25万匹以上捕獲したとか。千歳川を渡る風がほんとうに気持ちよかったです。

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エンドレス『鈴木愛奈のおいでよ千歳へ!』

帰りのバスまで時間があったので、隣接する道の駅を見て回りました。鈴木愛奈さんのPR動画が無限に流されています。『邪神ちゃん』のコラボフードもこの道の駅で買えるみたいです。

 

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やっと来られたもりもと本店

再びバスに揺られ着いたのはもりもと本店。パンと洋菓子のお店で、道内のスーパーやショッピングセンターなどに出店しているローカルチェーンの本店です。最近知ったのですが、新千歳空港にも店舗があったんですね。今まで名前だけは知っているという状態でしたが、ようやく訪れることができました。「シャモニー」や「雪鶴」はじめ、おやつや翌日の朝食その他もろもろを買い込みます。

 

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真っ白

もりもと本店での買い物を終え、荷物を置いている空港に一度戻ります。例によって疲れからか、1時間ほどラウンジでのんびりしてしまいました。天候が怪しくなってきており、窓の外は霧だがもやだかで視界がだいぶ悪くなっていますが、運航には特に支障は起きていないようです。

 

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ホテルに向かいます。この日の宿泊地は新札幌で、空港からは快速エアポートで乗り換えなしで行けます。悩みましたが、Uシートに課金してしましました。

泊まるのは「ホテルエミシア札幌」。新札幌駅徒歩3分、シティホテルと呼ぶべきような立派な宿です。素泊まりながら、高層階確約シングル利用で1泊6000円とひじょうにリーズナブルなプランがあったのでそれを利用しました(ここからさらにGO TO トラベルキャンペーンが適用されればいくらか戻ってきます)。安くてうれしい反面、ここまでディスカウントしないと客が来ないのであろう現実がチラリと見えてしまい、少々複雑な気分になります。

 

 

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ありがとうございました。

さて、また今日はここでは終わらず、荷物を置いて札幌市外へ足を延ばしました。

地下鉄東西線で西11丁目へ。昨年閉館した、思い出のニトリ文化ホールを見て、世の中の諸行無常を痛感しました。

 

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徒歩で「中央区役所前」まで移動し、市電に乗り反時計回りで「西4丁目」を目指します。いわゆる「乗りつぶし」の一環です。札幌の市電は山手線や名城線と同じく環状運転をしていますが、自身はそのほとんどが未乗であったため、空白を埋めるべく大きく遠回りして2つお隣の電停に向かいます。

夜に札幌都心から郊外へ走る電車なので、乗り込むと車内はそこそこ混んでいてました。しばらく走ると「西線〇条」という電停名が続き、乗客がどんどん減ってゆきます。「西線」は表記上は「にしせん」ですが」、発音すると「にっせん」になるんですね。

都心部から最も離れたエリア、「東屯田通」電停の前後辺りでは、皆降りてしまいついに乗客は私だけになってしましました。開け放たれた窓から吹き込んでくる夜の札幌の空気が心地よかったです。その後電車は再び都心に向けて戻る格好になり、わずかながらの乗客を各電停で拾い、すすきのを通り抜けて「西11丁目」に到着しました。

 

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地下鉄大通駅から南郷18丁目駅へ移動し、やってきたのは「みよしの南郷20丁目店」。「みよしの」は札幌のローカルチェーン店で、一度行ってみたいと前から思っていました。カレーと餃子という、なじみのない身からすると全くピンと来ない組み合わせの「みよしのセット」ですが、食べてみると意外なほどよく合います。新鮮味というよりは、まるでカツとカレーみたいに昔から馴染みのある組み合わせかのような謎の安心感さえ覚えます。餃子は薄皮でジューシー、カレーもしっかりとした味ながら後からピリッとくる辛さで、ひじょうに美味しくいただけました。また食べたい。

 

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「みよしの」近くのセイコーマートで買い込んでホテルに戻ります。私にとってセコマの欠点として、テンションが上がって正常な判断ができなくなりつい買いすぎてしまう点が挙げられます。事実、この量を一晩で消費しきれるはずはなく、ほとんどはカバンに翌朝突っ込む羽目になり荷物になってしまうということを何度も繰り返しており、この晩も例外ではありません。学習能力ゼロなのは自分でもよく分かっているのですが、人間、やめられないものはやめられないのです(開き直り)

 

そうこうしているうちに時刻は0時を回りました。活動時間の長さ故か、疲労もかなりのものになっています。明日も早いです。この晩はぐっすり眠りました。

 

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